本記事で得られる知識

ネット通販を始めるにあたって、出店しているショップ運営者が行わなければいけないバックヤード業務内容について解説します。

記事の前提

個人や零細企業で、未経験でネット通販を行っている、もしくはこれから行おうとしてる方向けです。

記事の信頼性

ネット通販業者を約13年運営しています。

 

バックヤード業務とは

バックヤード業務は、お客様の目には映らない部分の業務がメインですが、

効率よく業務を行わないと人件費や資材費などの営業費用が跳ね上がってしまうため、

利益率を高める意味では、非常に重要な業務となります。

 

ネット通販はEコマースという、IT系のイメージが強いため、

ネット通販を始める個人事業主・企業が、

最初の段階で後回しにしやすい部分でもあります。

 

ネット通販を開始する初期の段階ではまだ負担がそこまで大きくならないですが、

出荷量が増えてくればくるほど、

単純にバックヤード業務の負担がどんどん大きくなっていきます。

 

そして早いうちに手をつけていかないと、

がんじがらめの状態になって、

売上があがっているのに、

経常利益だけが横ばいか、売上ほどの増加に転じず、

商材の種類によっては最終的には赤字になってしまう場合もありますので、

決して軽視してはならない業務である点を理解する必要があります。

 

ここでは主に3種類に分けてバックヤード業務を解説していきます。

 

1.データ管理(受注処理・出荷後処理・在庫管理・価格管理など)

ネット通販では、データベースを土台とした管理が必要になります。

特に個人情報保護法の観点から、

セキュリティ的に個人情報の取り扱いを厳格に行わなければいけない部分や、

処理数が多くなることで、スプレッドシート上の行ずれや、

売筋商品の価格間違いや在庫間違いなど、

大きなクレームにも結びつきやすいデリケートな業務が大半です。

 

受注処理

出店しているモールの管理画面、もしくはシステム連携を通じて、

お客様に受注した旨の通知を送ったり、

注文情報を引き出してピッキング作業のためのデータ処理をしたりする業務です。

以下は一例です。

 

利用してるモール側の管理画面によっては、

受注処理の伴う「ステータス移動」作業を行います。

これにより、スタッフが注文ごとに、

出荷作業がどのフェーズにあるのかを確認することができます。

 

各種管理画面で、その日に出荷する注文について納品書を印刷します。

(テレコや、モール内の規約を守るために納品書を同梱せず発送するのも一般的です)

 

各種運送会社の送り状発行ソフト(ヤマト運輸ならB2システム、佐川急便ならe秘伝III、日本郵便ならゆうプリRなど)に、お届け先情報をアップロードする作業もあります。

 

自社倉庫内に在庫があるならば、

そのピッキングシートを生成する作業、

倉庫管理システム上のデータ在庫数を差し引く作業、

 

倉庫や発送を委託している、ドロップシッピング扱い、メーカーからユーザーへの直送扱いの場合は、

出荷先の取引先に出荷指示を送るためのデータを生成する必要もあります。

 

お取り寄せの場合には、仕入先に発注を行う作業も受注処理に含まれます。

 

番地抜け、郵便番号間違いなど

お届け先情報が、運送会社の住所データベースと相違がある場合は、

一つひとつ正しいお届け先に修正するといった、

細かい作業を行います。

 

出荷後処理

商品の出荷が終わったあとに、

運送会社ごとの問い合わせ番号を集約して、

各モールの形式に変更した上で、

ファイルをアップロードすることで、

ご注文代金をお客様に請求するための、

「出荷通知」処理を行います。

 

在庫管理

注文が入った場合は、発送分の数量を差し引く作業や、

商品が仕入先から入荷した場合の入庫時のデータ数の更新作業、

返品時の棚戻し時のデータ在庫の更新作業などを指します。

 

特に、注文時・返品時・商品入荷時のデータの増減の中で、

データ上の在庫数と、実在庫数の差異がないように、

毎日管理する必要があります。

 

データ在庫・実在庫数の最新性を保つためのチェック頻度が少なければ少ないほど、

差異が発生しやすくなります。

 

実在庫よりデータ数の方が多ければ売り違いになり、

お客様からの評価が下がる可能性も増えます。

 

実在庫よりデータ数の方が少なければ、

本来売るべき数を販売できていないので、

機会損失に繋がります。

 

取り扱いアイテム数が増えれば増えるほど、

エクセルなどのスプレッドシートでアナログで管理してる状態ですと、

行ずれなどの危険性なども高まりますので、

日々のルーティーンの中でも、

デリケートに管理するべき業務です。

 

価格・送料管理

注文商品の赤字チェックだけでなく、

受け取り送料や、商品のサイズから計測した支払い送料、

その他決済手数料や管理手数料などを差し引いて、

きちんと利益の出る価格設定になってるのかを日々チェックするのも、

データ管理業務の一つです。

 

運送会社の送料も不変ではなく、

時期によって改定もありますし、

決済手数料が変動する場合もあります。

 

常に価格を決めるために必要な要素が、

不定期に変動することも少なくないので、

最新の手数料体系の上で、

販売価格が正しく設定されているのかを日々監視する必要があります。

 

必要以上の値崩れが起きていないか、

仕入先との取り決めでの価格設定が守られているか、

日々監視しなければいけません。

 

2.倉庫作業業務(入庫作業、ピッキング、検品、照合、梱包、返品)

倉庫作業業務は、商品を入荷・出荷する一連の作業を指します。

メーカーより直接委託倉庫に預ける場合を除いて、

取り扱い商品を自社倉庫で保管している場合に必須となる業務です。

 

入庫作業

発注した商品を自社倉庫内に入庫する作業です。

入荷時のランダム検品などをした後に、

適切なロケーションに商品を棚入れしていきます。

 

ピッキング作業

受注処理により、出荷が必要な商品を、必要数取りに行く作業です。

いわゆる物理的な労働なので、

倉庫の広さ・受注量・商品のサイズや重量によって、

力のいる作業も含みます。

 

検品作業

全数検品やランダム検品などいくつか種類がありますが、

商品を自社倉庫に入れるさいに、

不良品でないかをチェックする作業です。

 

出荷対象の商品を梱包する前の検品もあります。

検品項目に基づいてチェックしてから梱包していきます。

 

目に見えるチェックなら梱包時に確認することもできますが、

家電製品やライト系など、通電チェック・動作チェックが必要な場合は、

1件あたりの検品に時間がかかる場合もあります。

 

照合作業

注文分を出荷するためにピッキングしてきた商品と、

印刷した納品書、送り状を正しい組み合わせにまとめる作業です。

 

零細企業の照合作業では、

納品書は各モールごとの並び順で一括で印刷し、

送り状は運送会社ごとに、その種別ごとに一括で印刷し、

商品は商品ごとに倉庫からピッキングしてきます。

 

つまり、それぞれがバラバラの状態であるものを、

同じ注文の納品書と送り状をセットにした上で、

納品書記載の商品を照合してまとめる作業が必要になります。

 

例えば、楽天のようにテレコ3件のクレームがあると、

楽天側のルールで、店舗が楽天に違約金として最大300万円支払うなど、

非常に厳しいルールが存在するので、

ここでのミスが大きく損害に繋がりかねないため、

1件のミスでも非常に重く受け止めなければいけない重要な作業になります。

 

返品作業

お客様から依頼されたり、受取拒否されたりして、

注文の発送後に戻ってきた商品を処理する作業になります。

 

使用済みであれば破棄することにもなり、

未使用未開封であれば棚戻し、

不具合の場合は仕入先へ交換・返品依頼、

(それもモノ自体を交換するのか、返品するのか、未入荷分を1つ入荷したことにして、次回入荷分を1個取り欠のかなど)

中身だけ使用可能な場合はパッケージ資材だけ発注など、

返品と言っても様々な対応方法があります。

 

3.カスタマー対応業務

カスタマー業務は、お客様とお店とのやりとりを直接行う、

その後の対応によって大きく信用に関わる重要な業務です。

 

注文前の問い合わせ対応

主に、商品に関する問い合わせ、

お届け先への送料金額、領収書発行の可否の確認、

発送予定日の確認などがメインとなります。

 

注文商品に対する業務

すでに注文を受けてる場合に、お客様よりキャンセル依頼、住所変更依頼、日時指定追加の依頼、領収書発行依頼などが該当します。

また、お客様から問い合わせがなくても、設定した納期に間に合わない場合の納期遅延に対するご連絡や、注文後に送料を加算する設定の場合の該当注文車への連絡、注文情報にお客様の要望が書かれている場合の確認のための連絡などもあります。

 

出荷後のアフターフォロー対応

出荷した商品が間違っていた、

テレコになっていた場合のクレーム対応や、

商品不具合時の交換・返品対応などもカスタマー業務にて行います。

 

他にも発送後に、運送会社から転居先不明や長期不在などの連絡がきた場合に、

直接お客様に確認をとる場合もあります。

 

品質と生産性両面の根幹を担ってる業務

バックヤード業務はお客様にうつらない部分ですが、

お店に対する信用を高めるための地道な努力を要する業務です。

 

できるだけ正しく高速に最適化された状態で、

ルーティーンをこなす必要もあり、

作業時間の軽減を実現することで、

大きく利益率に左右する重要な業務でもあります。

 

ネット通販開店当初は、ここを軽視しがちな経営者も少なくなく、

早めにバックヤード業務の仕組み化を実現することで、

規模が大きくなってからも、ストアに対する信用を高めるだけでなく、

利益率の向上も見込めますので、

ぜひともフロントエンド業務・マーチャンダイズ業務同様に、

重要業務の位置づけで適切な人員配置を行っていきましょう。